【スパルタンレース レポート】世界最大の障害物レース「リーボック スパルタンレース」が日本初上陸!
ここは日本!? レース会場はとにかくハイテンション!
最高気温27度、晴天の5月27日(土)。前日の雨も無事あがり、会場となる神奈川県相模原市の米軍相模総合補給廠(しょう)には、国内外から5,000人を超えるツワモノたちが集まっていた。その目的はただ一つ、日本初開催となる世界最大の障害物レース「リーボック スパルタンレース」。全長約7kmのコースの中に22個のさまざまな障害(オブスタクル)が設置され、誰が一番早くゴールできるかを競うものだが、もちろん筆者がそんなエリートクラスにエントリーできるはずもなく、一般クラスでスパルタンレースの“過酷さ”を体験した。
会場となる相模総合補給廠は、在日米陸軍の補給施設で、毎年東日本国際親善マラソンも開催されている広大なエリア。その中に約7kmのコースが設定され、各所に障害物がレイアウトされているのだが、一見すると会場が広すぎて、障害物もまばらな印象。これなら余裕かも……という考えが一瞬脳裏をかすめたが、これはスタート間もなく打ち消されることになる。
そして会場到着時にまず目をひくのは、外国人の多さだ。出場者のおよそ半分はいるのではないかというほどで、とても日本で開催されているとは思えない雰囲気。米軍基地内だから、ということを差し引いても、国際色豊かだ。しかもみな、筋肉がすごいことになっている。マラソンレースとの違いは、この筋肉のプレッシャーかもしれない。とはいえ、障害物競走には素早さも必要と信じて、いざレーススタート。
レースは、記録計測ありのエリートスプリント(293人)が最初にスタートし、体験参加のスプリントオープン(4,816人)が15分おきに順次スタートする。筆者がスタートする11時にはすでにエリートの部が終了し、そのトップタイムが35分と聞いていたので、なんとなく目標を倍の1時間に設定してみる。主な障害物のジャンルは、壁や網、綱を登る。重い物を運ぶ、引っ張る。壁や手すりから落ちずに渡る。有刺鉄線の下を匍匐前進する。槍を投げる、などで、なかなかに上半身に厳しいコースレイアウト。ただ、障害物をクリアできなくても、“バーピー”と呼ばれるスクワットのような罰ゲームを30回行うことで先に進むことができるので、完走自体はそれほど難しくない。もちろんバーピーゼロのパーフェクトでの完走を目指したものの、あえなく撃沈。けれど、ほとんどの参加者がいずれかでバーピーを行っていたので、無理だと思ったらサクッと見切れる判断力も大事かもしれない、と言い訳してみる。
結局タイムは、目標を大きくオーバーする1時間22分19秒でゴール。途中槍投げの順番待ち、という思わぬタイムロスをくらったものの、全体で850番目。ゴールしたときには生きている喜びを感じたほど全力を出し切った。それは自分だけではないようで、一般参加のオープンクラスは、グループで参加している人も多く、仲間との盛り上がりも半端ない。競技自体は個人種目で、一つひとつ進むにつれ本当にキツくなっていくのだが、全身泥だらけになって仲間と励まし合い、一緒にクリアして先に進むという、一種団結力的なものも見られたりして、それはそれでとても清々しい感じがした。個人参加の自分はまさに自分との闘いとなったものの他の選手たちと仲間意識が生まれたり、参加者の多くが終始ハイテンションで、そんな空気感も含めたものが、スパルタンレースの魅力なのかもしれない。
スパルタンレースの目的は「自分の可能性を知ること」だと思う。できると思っていたことができなかったり、できないと思っていたことができたり…。一つひとつの障害物を経て、人それぞれいろいろな可能性が見えてくるのではないだろうか。今回全体を通じて筆者が感じたことは、“とにかく楽しい!”ということ。体力に自信がないとか、筋肉がないとか、いろいろ不安があったとしても、一度は絶対出てみるべきです!
なんと次回第2回がすでに10月に開催されることが決定! 下記をチェックしてぜひ参加してみてはいかがでしょうか。
超個人的きつかったオブスタクルトップ5
1 Monkey Bars
要はウンテイなのだが、鉄棒から鉄棒までの幅が広い! しかも若干高さも変えてあり、筆者は3本目あたりで届かずあえなく落下
2 Bard Wire Crawl
有刺鉄線の下を匍匐前進するこのレースのハイライトの一つ。とにかく距離が長い。水溜りも深く、泥水を飲んでしまう場面も…。水溜りが浅くなったかと思うと大きめの砂利道に変化して、今度は痛い。砂利道は転がるのがオススメ。この障害は比較的前半にレイアウトされているので、いきなり泥水まみれで残りを走らなくてはならない
3 Atlas Carry
石を反対側の旗まで約10m運び、戻ってくる。ただし、この石が想像以上に重い。それに加えて、ヌルヌル。膝をひっかけ全身で上げるようにするのがポイント。ここでは諦めてバーピーする人が続出
4 Sandbag Carry
その名の通り、砂袋を担いで運ぶ障害。コースが思いのほか長く、しかも上り坂もあって苦しい。最初は肩で担ぎ、後半は前に抱えて腰・背中への負担を分散させるのがポイントか
5 Hercules Hoist
重りを上まで引き上げればOK、なのだが、これも本当に重い。自分の全体重をかけて引っ張りあげても30cmほどしか浮かず断念。レース後に攻略者に聞いたところ、体重が80kg以上ないと上がらないのではないか…とのこと。そういえばクリアしていたのは大柄な外国人ばっかりだったような気がする
■Reebok Spartan Race Japan -Tokyo Sprint-
日時:2017年5月27日(土)9:00~
会場:U.S Army Sagami General Depot(相模総合補給廠)
参加者:エリート:293名/オープン:4,816名 合計:5,109名
観戦者:1,164名
完走率:エリート:236名(約80%)/オープン:4,271名(約88.7%) 合計:4,507名
※完走率の算出は、障害物をクリアできなくてもバーピーを30回行えば次の障害物に進めるため、障害物をすべてクリアした人のデータではありません。
最高タイム:エリート男子1位:35分34秒46/エリート女子1位:43分21秒42
-次回開催概要-
■Reebok Spartan Race Japan -Tokyo Super / Sprint / Kids
日時:2017年10月21日(土)、22日(日)
会場:さがみ湖リゾートプレジャーフォレスト
開催レース:SUPER(距離約10km以上、障害物約25個)、SPRINT(距離約5km以上、障害物約20個)、
KIDS(12歳以下)
大会HP:www.spartanrace.jp