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SPECIAL

もうひとりの創業者が語る、ホカ オネオネの誕生ストーリー。

2019.03.06
Masataka Nakada(STUH)
Masahiro Minai

「まるでマシュマロのよう!」と形容される、その比類なきクッショニングで世界中のランナーを魅了してきたホカ オネオネ。2009年に、ジャン・リュック・ディアードとともに同社を創業したのが、ニコラス・マーモッド。現在もトレイルランニングを楽しむ彼に、誕生時のストーリーと、ホカ オネオネの魅力を聞いた。

ホカオネオネ hoka one one
NICOLAS MERMOUD(HOKA ONE ONE Product management consultant)

「どうしたら膝や足首に負担をかけず、
安全にスピードを落とさずに下りを走ることができるのだろう?」
とジャン・リュック・ディアードといつも話をしていた。

――最初にジャンリュック ディアード氏の「安全に速く山を駆け下りるギアを作りたい!」というアイデアを聞いたときは、どう思いましたか?

自分はライフスタイルの一部として野山を走っていたのですが、もうひとりの創業者であるジャン・リュック・ディアードと常々話していたのは、「どうしたら膝や足首に負担をかけず、安全にスピードを落とさずに下りを走ることができるのだろう?」ということです。そして、彼との共通認識は、マウンテンバイクやスキーではフリーライドが重要なキーワードになっており、ランニングでもそんなシューズを開発したいと思っていました。

しかしながら、これらの業界と比べてスポーツシューズの進化は遅すぎたので、改良する余地は沢山ありました。そこで2009年の1月に知り合いのエンジニアであるセバスチャンに相談し、2009年3月にフワフワと柔らかいミッドソール、オーバーサイズでゆりかご状のロッカー構造を採用したプロトタイプが完成しました。

ホカオネオネ hoka one one ホカオネオネ hoka one one

一番苦労したことは、
製造してくれる工場がなかなか見つからなかったことと
当初、ディーラーがなかなか理解してくれなかったこと。

――ホカ オネオネの最初のモデルを完成させるために苦労したことは何ですか?

私とセバスチャン、そして現在もホカ オネオネの開発部門のトップを務めるクリストフ・オボネの3人は完成したプロトタイプを履いて走ってみると、これまでよりも速く山を駆け下りることができることを体感しました。その後何度も改良を繰り返し、製品化できるレベルに到達しましたが、その先にはいくつかの難題が待ち構えていました。

ひとつ目は、これまでとは全く異なった構造のスポーツシューズを製造してくれる工場がなかなか見つからなかったことです。私たちが依頼したのは、一般的なランニングシューズのミッドソールの硬度よりも、かなり柔らかい硬度だったからです。このボリュームたっぷりの柔軟なミッドソールのシューズを製造してくれる工場を探すのに数か月を必要としました。

ふたつ目に難しかったのが、従来とは全く違った構造とデザインのシューズの素晴らしさをディーラーに伝えることでした。ランナーやジャーナリストにシューズを見せ、実際に履いてもらうと高い評価を得ることができたのですが、シューズを販売してくれるお店の人々は、このシューズの素晴らしさを当初は理解してくれず、なかなか取扱いを始めてくれませんでした。ヨーロッパは保守的なのか、その傾向が特に強かったです。

ホカオネオネ hoka one one

――ハセツネ(日本山岳耐久レース 長谷川恒男カップ)に出場経験もあるとお聞きしました。そのときのことを教えてください

私は契約アスリートとともに2010年のハセツネCUPに出場したことがあります。途中までは先頭を行きましたが、最後に脚のトラブルが発生したために15位でゴール。個人的には残念な結果でしたが、一緒に出場したホカ オネオネを着用したルドウィック・ポムレが男子総合優勝、ニナ・シリッチが女子総合5位に入賞したことで、日本のランナーにホカ オネオネの優秀性をアピールすることができました。『何なんだ、あの厚底のシューズは!』という感じで、日本のトレイルランナーは驚いていましたね。

ホカ オネオネがスポーツシューズマーケットに進出した頃は、孤立した存在でした。

――ホカ オネオネの登場以来、ランニングシューズマーケットは確実に変わりましたね

ホカ オネオネが厚底ミッドソール、ロッカー構造といった全く新しいコンセプトでスポーツシューズマーケットに進出した際には、孤立の存在でしたが、現在では幅広い層のランナーに受け入れられています。これはスキーのカービングスキー、テニスのデカラケや厚ラケのように、最初こそは異端に見られても、後にそれが当たり前になっている点は似ていますね。当初はトレイルシューズが出発点ですが、現在ではロードランニングにおいても「脚に優しく、楽に走れる」という特徴が評価され、数多くのランナーに愛用されています。

――これまでで一番好きなホカ オネオネのシューズは?

個人的にも歴代モデルでは、オリジナルのマファテやオリジナルのボンダイ、クレイトン、スピードゴート2といったプロダクトを特に気に入っていますが、ホカ オネオネは、どのシューズも走っていて楽しい気分にさせてくれるのが素晴らしいと思いますね。

ホカオネオネ hoka one one

 

編集後記

ニコラス・マーモッド氏は、ジャン・リュック・ディアードと共にホカ オネオネを創業したメンバーであったが、現在は同社を離れ、プロダクトマネージメントコンサルタントとしてホカ オネオネに関わり活躍している。トレイルランナーとして経験豊富な彼の存在がなければ、今のホカ オネオネは存在しない。今や世界中のランナーから支持を集めるプレミアムランニングシューズブランドして君臨しているホカ オネオネが、創業当時は、生産する工場にも困り、理解してくれるディーラーもいなかったとは驚きだ。革新的なプロダクトを生み出す時、得てして始まりはこういうものなのかも知れない。これからもランニングシューズ業界の異端児、ホカ オネオネの動向に注目していきたい。

ホカオネオネ hoka one one

ホカオネオネ hoka one one

INFORMATION
デッカーズジャパン
TEL:0120-710-844
www.hokaoneone.jp

 

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