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COLUMN

連載第11回「Breaking Limit」 ~3ヶ月の練習note~

2021.09.16
Shun Sato

第11回 松永健士(市民ランナー) 健ちゃん練メソッド。-サブエガ達成-

マラソンを始めるよりも先にトライアスロンやキックボクシングの経験を持つ松永さん。心臓の手術を乗り越えてサブエガを達成! 健ちゃん錬メソッドで目指すべき場所とは。

松永健士
年齢:30代
職業:アパレル関係
ラン歴:3年
フルPB:2時間46分55秒(2021年3月28日 なにわ淀川マラソン)

3months Challenge—breaking 2’50”

Start(走ることのキッカケ)
マラソンを始める前は、トライアスロンをしていたのですが、心臓の手術をしてからモチベーションを失って、走らない期間が4年間ほど続きました。その間、10キロぐらい体重が増えて、まずいなと思ってはいたんです。そうしたらお客さんから「ランニングチームがあるのでちょっと遊びに来て。」と言われて・・・。僕が以前、トライアスロンをやっていたのを知っていたので誘ってくれたのですが、そこで「ランニングコーチ」をやってほしいと言われたんです。さすがに今のままじゃ走れないと思いましたし、やるからにはちゃんと走れないと恥ずかしいと思って、走り始めたのが3年前でした。

Kenchan Ren(健ちゃん練)
走り始めて2ヶ月後、まだまだって感じだったので、トライアスロンやトレイルをしていた仲間に「速く走りたいので一緒に走ろう!」と声をかけたんです。最初は、僕を速く走らせてくれるための練習会的な感じだったのですけど、みんなで走って、銭湯に入って、飲みに行くのがルーティンになっていくと、「毎週やる?」「チーム名どうする?」ということになり、「健ちゃん練でいいよね!」ということなり、それから本格的に「健ちゃん練」が始まりました。今は、27名のメンバーがおり、毎週水曜日がメインの活動日で、金曜日もNeo健ちゃん練で練習しています。前は織田フィールドがメインでしたが、工事中なので今は代々木公園で走ることが多いですね。最近、どうしたらメンバーになれますかと聞かれることが増えて嬉しいのですが、すごく困ります(苦笑)。基本的に僕はそこそこ走力がある気の合う仲間、友人と走っている感覚なので、そもそも基準とかないんですよ(笑)。

The charm of marathons(マラソンの魅力)
ただ走るだけのシンプルなスポーツですが、奥深いところが魅力ですね。もともとキックボクシングをやっていたんですけど、その時もただ戦うだけではなく、勝つためにロジカルにいろんなことを考えていました。マラソンはVO2MAXとか数値が基準になり、メンタル、筋肉、スピードとかもう本当にいろんなものを絡めていかないと速く走れない。最短で速く走れるのはどうしたらいいのか? とか考えることに終わりがないので本当に深くて、きつくて、楽しいスポーツだと思います。

Training Menu(トレーニングメニュー)

★3months(3ヶ月前)/Training Menu Point



(1)wave running(変化走)
2000m+1000mの変化走は、僕は市民ランナーがマラソンをやる上ですごく重要だと思っています。レースを走って思ったのは、単独走は避けたいので一定のペースの集団を探すじゃないですか。その集団が速ければ離れていくし、遅ければ前の集団を探すために一定区間、速いペースで前を追って集団を探します。単独走にならないようにペースを上げて、集団に追いついて落ち着きますが、それがまさに変化走なんです。僕を始めチームのみんなも2000m-1000mの耐える系の変化走が苦手なので積極的に取り入れています。

(2)jog(ジョグ)
前はキロ6分ぐらいのペースでジョグをしていたのですが、吉田祐也選手と会って話をした時、ジョグについて聞いたんです。すると、ジョグは、レースペースの45秒から1分落としのペースで行う。理由は、ペースが遅ければ接地時間が長くなって逆に調子を落としてしまうからということでした。リカバリージョグもペースを落とさず、距離で調整していると教えてくれました。それから僕もペースの速いジョグに切り替えました。効果はありますね。健ちゃん練の朝とか速いペースのジョグをいれておくと夜のポイントがスムーズにできますし、ベースが上がってケガもしなくなりました。

★2month (2ヶ月前)/Training Menu Point



(1)short interval(ショートインターバル)
600m‐400m‐300m‐200mのショートインターバルは、コンディショニングメニューとして、非常に良かったです。速いペースで押してカットダウンしていくので体が研ぎ澄まされていきますし、心肺を高め、体が締まる感じになります。速く走りたい時は、200mのインターバルでいいのですが、自分の調子を整えたい時、あまりよくない時は200mだけをやっても上がる感じではないので、このメニューを入れています。

(2)long running(ロング走)
30キロは、キロ4分10~25秒ぐらい、ハーフは3分55秒でレースペースよりもちょっと速めに設定しています。30キロを4分10秒ぐらいで走るのは、そんなにつらくないですけど、ハーフを4分切ってロングを走るのはけっこう気合が入りますね。長い距離を淡々と走るのは得意ですけど、長い距離をスピードを上げて耐えて走るのはちょっと苦手なので、それがこれからの課題です。

★1month (1ヶ月前)/Training Menu Point



(1)tempo running(テンポ走)
12000mのテンポ走を入れたのは、この練習が苦手だからです。テンポ走は、マラソンのタイムを出す上でひとつの指標になります。この練習は外したくないと思っていますので、かなり身構えて取り組みます。僕の場合は、ロング走で30キロを走れたことよりも、テンポ走をしっかりやり切った方が自信になります。この時の設定を3分35秒にしたのは、ハーフをマラソンよりも10秒速い3分45秒で行けると3分55秒でフルを走れる計算になります。3分45秒でハーフを走るためには、12000mを3分35秒ぐらいでいけないとフルでは、3分55秒で走れないという計算をしたからです。

(2)no carbon(カーボンなしシューズ)
Neo健ちゃん練の練習時は、基本的に厚底(カーボン)は履いていないです。厚底のシューズばかりで走っていると自分の本当の力が分からなくなるので、カーボンなしのシューズでもしっかり走れるようにしたいんです。36キロのロング走では厚底ではないシューズを履いて4分6秒ペースで押していけたので、すごく自信になりました。

(3)rest(レスト)
レース前に完全レストはしないです。前にレストを2日間入れてくださいと言われて、その後にポイントを入れたのですが、思い切り外して調子を崩したことがあったんです。休むと調子が狂ってしまうので、筋肉が少し張った状態でレースに臨む方が好きですね。

Another Point -1
Q.「今後の目標は?」

A. サブエガを達成できたので、次は12月末のBeyond2021で2時間40分を切って、来年の東京マラソンで2時間35分切りが目標です。年末のレースでは、2時間35分の練習をして、余裕を持って40分を切りたいですね。そのために今年の夏は練習のメニューを少し変えました。例年、夏は400mのインターバルとか入れていたんですけど、今年は6000m+4000mの分割走を多くいれましたし、ジョグもペースを追う時は駒沢公園で走りますが、それ以外は自分の出力を高めるために砧公園のクロカンを走っています。涼しくなってきて、状態が上がってきている感があるので、レースが楽しみです。

Another Point-2
Q.「健ちゃん練・チームの今後は?」

A.個人的には、メンバー全員が2時間45分を切るタイムを持ったアマチュアで日本最速の集団になっていけたらいいなって思います。チームの知名度が上がり、インフルエンサーみたいな立場に置かれたりしますが、そこばかり意識しているとダメですね。基本は、きつい練習をみんなで一緒に汗を流してやるのが一番重要で、その上でそれぞれがSNSで発信したものがランナーのみなさんに響くものになればと思っています。メンバーの質がどんどん高くなって、今は27名中15名が大学陸上部経験者です。10歳ぐらい若い箱根ランナーに負けじとおっさんが頑張っている感じですね(笑)。これだけ練習して結果が出ないと滑稽ですが、でも、僕はこれからも走り続ける姿をメンバーに見せていきたいと思っています。

2021年3月28日 なにわ淀川マラソン 2時間46分55秒。(1kmの平均ラップタイム)
0km -5km 3分59秒
5km-10km 3分53秒
10km-15km 3分56秒
15km-20km 3分56秒
20km-25km 3分57秒
25km-30km 3分58秒
30km-35km 3分56秒
35km-40km 3分58秒
40km-FINISH 3分56秒

本番のレースでは、サブエガは絶対にできるなと思っていました。ただ、50分をギリギリで切るのはイヤなので47分ぐらいだったらいいなって思っていました。ペースはだいたいイーブンです。走る中で、ハーフに行くとだいたいその日のレースの感じが分かります。ダメな時はハーフを過ぎてきつくなり、25キロぐらいでダメになるのですが、いい時は20キロ過ぎても30キロまでいけるなと思えるんです。この時は行けるなと思いましたし、ラストの5キロは苦しいですけど、なんとかペースを大きく落とさずに走り切ることができました。本音を言うともうちょい行けるかなと思っていたのですが、目標タイムをクリアできましたので、とりあえずホッとしましたね。

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