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舘下智
舘下智

Satoru Tachishita

舘下 智 : FULLMARKS HOUDINI担当

1976年生まれ、富山県出身。現在は札幌から横浜へ転勤。北欧アウトドアブランドHOUDINIの営業マンとして全国各地とスウェーデンを駆け回る日々を過ごしている。「誰よりも楽しむ事」をモットーに2014年はウルトラトレイル・ドゥ・モンブラン168㎞(45時間9分)、グランレイド・レユニオン172㎞(54時間)で完走。

『分水嶺トレイル2017』

[17.09.19]

こんにちは

すっかり前の話になっちゃうけど、7月の三連休に分水嶺トレイルに出場してきました。分水嶺トレイルとは東京は青梅永山から、野辺山高原の獅子岩まで今日120km、累積標高12000mD+、制限時間64時間、ノーエイド、ノーサポートという、ドMな縦走大会なのです。少し短い80kmのAコースと、ロングのBコースの2カテゴリーあります。
ちなみにワタクシは2015年にもチームエントリーで出場しBコースを完走?完歩しています。

今回も同じくBコースをチームエントリー。メンバーはA&Fの河野さん、マウンテンハードウエアの山岡さん、羽布津さん、そしてフルマークスの舘下、アウトドアブランドを取扱う会社で働く4名というなかなか面白い組み合わせで、羽布津さんは今回初めてお会いする方でした。

スタートは7/15の午前0時、7/11にスペインから帰国し、中4日でこのドMなイベントに参加することに多少の不安はあったが、チームエントリーだしここは気合いで臨むしかない!バタバタと準備し、7/15のスタートを迎えた。

スタート1時間前の23時、青梅駅で合流した我がチームは、それっぽい格好をした猛者達がごった返す駅前のセブンイレブンで水などを購入し、スタート場所となる永山公園へ向かう。

装備チェックを済ませあとはスタートを待つだけ。実際ほとんど練習というか走ってないので不安しかない。

午前0時いよいよスタート!長い山旅の始まりだ。皆、ワクワクした様子で、ほぼ最後尾からゆっくりと歩きだした。しかし、夜だと言うのに蒸し暑く、たまに吹く風がとても心地良いのも2年前に似ているなぁと感じながらゆっくりマイペースで進む。なかなかペースが掴めないなぁと感じつつも榎峠に到着。ロードを少し下ったところにある自販機でCCレモンを一気飲み。そして水を一本買い足した。なぜなら一杯水の水場が枯れているという噂があり、そーなると雲取山までの給水がかなり厳しいことになるため、ここは迷わず購入。1人3L〜4Lの水を背負う事になった。重くなるけど、水が無くなるとマジで命の危機だし、陽が昇れば暑くなる可能性もあるし…

ここから高水山〜岩茸石山と続くのだが、あり得ない蒸し暑さ!さっき飲んだCCレモンが全部噴き出したんじゃないかと言うほど汗がダラダラ。水を買っておいてよかった〜

岩茸石山から黒山へ向かう途中の下りで軽く転んで手のひらと腕を少し切ってしまい、少し凹む。そして少しずつ空が明るくなってくると共に眠気が襲ってきた。時差ボケを理由に辞退しとけば良かったなぁ…とか若干ネガティブな思考にもなり、出だしとしては最悪だった。そして2年前と同じ黒山で少し休みたいと申し出てベンチで横になるもアブがブンブン飛んでいて寝ようにも寝られない仕方ないのでそのまま頑張って進み、朝6時、棒ノ折山へと到着。2年前もここで素敵な景色を拝めたが、今年も良い眺め。

さて、ここから長尾ノ丸山〜日向沢ノ峰への道中は猛烈な睡魔と闘いながらの前進。まぁ眠いのなんの、安全そうなところは5歩〜10歩目を瞑って歩いたり。長尾ノ丸からは急登の連発で、心が折れそうになる場所だけど、ここは全員で声を出して気合を入れる。余りの辛さにネジがぶっ飛んだか…「急登で太腿が喜んでる!」「登りって楽しいね〜」「急登最高」などと4人で連呼。なんとか登りきり、日向沢ノ峰に到着し、ここで10分横になり休憩。足首を二ヶ所昆虫に刺された…

 

前半の前半をクリアし、ようやく雲取山という文字がぼんやり想像出来るようになって来た。ここから蕎麦粒山(そばつぶやま)名前は可愛いが、なかなかの登り。を経由して一杯水へと向かう。噂によると水は枯れている…はずだったが、なんとチョロチョロとではあるが水が出ているーーーーーー!!!既に到着していた参加者達が、それはあたかも樹液に集まる昆虫のように水が出ているホースに群がっていた。一杯水とはよく名付けたものだ。まさに一杯水。タスカッター!!水をゲットし、かなり精神的にリフレッシュできた。人間というのはつくづく精神的な生き物で水を得ただけなのに足取りまで軽くなった。2年前は一杯水の避難小屋で小休止したが、今回はスルーしてその先にある酉谷避難小屋で休憩することに。比較的歩きやすい登山道を軽快に歩きながら進み、酉谷避難小屋に到着。ここの水場はドバドバと溢れていたので、顔を洗ったり手拭いで身体を拭いたりリフレッシュ。ここでお昼ご飯のビバークレーションを食べ、小屋で15分昼寝。これが最高に気持ち良かった。すっかり元気になって、出発の準備をしているとスイーパースタッフと参加者の方が到着。おおう、我々はほぼ最後尾。一足お先に避難小屋を出発し、雲取山を目指す。とはいえまだまだいくつか山を越えて行かなければ辿り着けないのである。雲取山の1つ前には芋ノ木ドッケという、まぁなかなかピークが現れない山があり、それはあたかも男心を翻弄する小悪魔的女子のようである。俺ももうオッサン、そんな小悪魔に振り回される事もなくなったのでここは楽勝?で通過。そしてスタートから40km約16時間、ようやく雲取山荘に到着。スタッフに到着時間を伝え、カップラーメンとコーラを購入。普段口にする事はないジャンクなものでもガツガツガブガブいっちゃうよね。背に腹はかえられぬ!カロリー摂取!

ワタクシ はカップラーメンの残った汁にビバークレーションをぶち込んで一杯で2度美味しい的な。他のメンバーはカップ麺をお代わりしてたな。とにかく食べる食べる!シッカリお腹を満たし、いざ出発。しかしまぁ、16時過ぎに到着し出発したのは17:58と1時間以上も滞在していたのには驚いた。雲取山〜飛龍山を通過し、本日の仮眠ポイントの将監小屋を目指す。2年前はここはなかなかハードだった記憶があったけど、今回はいい感じのペースでサクサク進んだ。4人のペースがピッタリとシンクロし、速すぎず遅すぎない、いつまででも歩き続けられそうな感じがした。いいペースで進めたお陰で将監小屋には22時30分頃に到着。ツエルトを張り1時まで仮眠。何分寝たのか分からないけど、後から来た参加者がワタクシの隣にツエルトを張った訳だが、まぁうるさいのなんの。袋をガサゴソガサゴソ、静かなテン場や山小屋でビニールなどの音ってのはかなりうるさいわけで、音を完全に消す事は不可能だけど、なるべく出さないようにする気遣いが必要だろうし、もーちょっと気を遣って欲しいものです。とまぁ、耳栓を忘れた自分を恨みつつ目を閉じたのでした。

仮眠を済ませ出発。長い1日の始まり。まずは雁峠を目指す。唐松尾山〜黒槐山〜笠取山と山を3つ越えて行く。空が明るくなり始めた頃、雁峠に到着しここでしばし休憩。チェックポイントの雁坂峠まであと少し。そして雁坂小屋で朝食にありつける。と意気込み歩くも、睡魔に襲われたので10分程度の仮眠を燕山と水晶山でとって朝7時過ぎに雁坂小屋に到着。パンは売り切れていたもののメンバーはカレーなどにありついた。僕はビバークレーション。オカズに缶詰を購入。飯を食べているとスタッフと思われる方が下りてきて、Aコースのチームを探しているようだった。

我々はのんびりと朝ごはんを食べ、なんなら山小屋の方から納豆まで頂いちゃったり、ものすごく良くしてもらっちゃって、すっかりくつろいでしまった。後ろ髪引かれつつも出発。そして、小屋から約10分、チェックポイントの雁坂峠に到着。時刻は8:30過ぎ。スタッフの方とお話ししていたらとんでもない事が発覚…普通はチェックポイントを通過してから雁坂小屋へ降りるのだが、我々は巻道から直接雁坂小屋へ行ってしまったのだ。これはタイムアウトになってしまうのか…メンバー全員が凍りついた…

が、先ほどスタッフの方がAコースのチームを探しに来た時、雁坂小屋で会っていたのでチェック済みという事で事なきを得た。あ、あぶねぇ〜。全員ほっと胸を撫で下ろす。ついでに言うと我々が最後って事で、ここからスイーパーの方が一緒にスタート。おおぅ、我々最後尾じゃないのー!てゆーか、今、8時半過ぎ、確か大弛峠のチェックポイントって17時じゃなかったっけ??えーっとコースタイムをざっくり計算してと…あれ?結構ヤバくない??甲武信岳、国師ヶ岳となかなかの距離を歩かなきゃなんないし、分水嶺トレイルで1番心折れそうになるセクションな訳で、ゆっくりしてる暇はないー!!!

雁坂嶺〜東破風山〜破風山を越え破風山避難小屋に到着。甲武信小屋まであと少し、標高差300mを登れば到着や。という急登の頑張りどころで、アブの猛攻を受け左足を何ヶ所も噛まれた。そしてなんとか甲武信小屋へと到着。時間もないのでここは15分の小休止にして大弛峠を目指す事とする。

そして甲武信岳から国師ヶ岳の間こそ、この分水嶺トレイルのハイライトってかキツイポイントで、2200m近いピークを5〜6越えなければならないのだ。2年前は眠くなったポイントでもある。甲武信岳に到着したのはおおよそ11時50分、目指す大弛峠までの一般的なコースタイムは約5時間45分。このままじゃ間に合わねー!!あと、早めに大弛峠の小屋に着かないとカレーにありつけない可能性もあり、かなり焦る。案の定、この区間で眠くなっちゃったけど、いつものゴースト状態よりマシで、頑張ってメンバーに着いていった。チームのペースも上がり、国師ヶ岳に着いたのは15時15分、あとは下るだけで大弛峠だ。なんとまぁ16時ちょい前には大弛峠でカレーにありつけた。よ、良かったー。カレーを食べた後にビバークレーションも1つ食べてカロリーを摂取!17時まで少し仮眠して出発!!個人的にはここからペースが全く上がらず、かなりキツイ状態になり着いて行くのがやっとになってしまった…

大弛峠から金峰山に到着。日の入の少し前で、まだライトが無くても大丈夫だった。2年前は夜で爆風でルート分からなくて苦労したけど、明るいうちに来ればまだ楽だ。さ、あとは今夜のテン場となる富士見平小屋まで下るだけ。ただまぁ、着きそうでなかなか着かないという地味にキツイセクションなのである。ガレガレの道を下りきったところでようやくヘッドランプが見えて来た。富士見平小屋に到着。小屋は22時まで開けててくれてて、ここでも夕食にありつけた。鹿肉ホットドッグを購入。美味い!!食事を済ませ、ツエルトにて就寝。

2時間程の仮眠を済ませ深夜1時半前に出発。2年前は明るくなってから辿り着いた瑞牆山も今年は真夜中に到着。せっかくなので山頂も踏んでおいた。が、やはり真夜中なので展望は全く無い。瑞牆山から降りた後は地図読み区間となる。その前に川の横でしばし休憩。

インスタント味噌汁を流し込んで、チャージ完了。信州峠を目指す。急登の斜面を登り、笹薮を歩く。多くの参加者が歩いた笹薮は既にトレイルのようになっていた。僕はかなり遅れ始めていたので、3番目を歩きながらついて行くのがやっとな状態。距離も間も無く100kmになろうかというところだった。ここで、右足首に電気が走った!「痛って!!」今回はアブやらブヨやら噛まれまくって来たけど、今回の痛みはそれを遥かに超える衝撃だった。一瞬、何が起こったのか分からなかった。右足首をあげて見てみるとなにやら昆虫が!?こりゃ蜂だー!!蜂ということを認識し、この場所はヤバイと思うより先に全速力で走り出していた。2番目を歩いていた羽布津さんも、「蜂だー!やべー!!」と叫びながら物凄い形相で走ってくる僕にビビり走り出す!そして100mは全力疾走しただろうか、落ち着いたところでポイズンリムーバーで刺された箇所を吸引しまくった。幸い、スズメバチとかではなかったようだし、吸引してもそんなに毒はでてこなかった。とはいえ、痛い…蜂に刺されるなんて10年振りくらいだ。

他の参加者にも聞いたら、やはり同じポイントで蜂の攻撃にあっていたようで、蜂に刺された参加者の方には妙な親近感を持った。しかしながら火事場のクソ力とはよく言ったもので、ついさっきまではもう歩くのがやっとだと思っていたのに、あんな全力疾走が出来るなんて。と、人間の持つ潜在能力に感心しつつチクチクする右足を気にしながら前へと進むのであった。

メンバーの的確なナビゲーションで信州峠まで迷うことなく到着。知り合いが出場しているという方が応援に来ていて、趣味でコーラやスポーツドリンクを振舞っていました。ありがたいことこの上ない!飲み物以外に、身体スッキリシートもあったので拭き拭きしてさっぱりリフレッシュ。ここから最後のセクションを乗り切る元気が湧いてきた。

あと少し歩けば(といっても地味に長い)ゴール。最後の区間に突入する。横尾山を登ったあとはアップダウンを繰り返しながらひたすら進むだけ。このあたりからアブに噛まれたところがみずぶくれになって来た。おぉ!なんだこれー??アブってこんな酷い事になるんかい?ひぃー。時間を追うごとに酷くなる患部に不安を抱きつつ笹藪をかき分けゴールへと進んだ。

牧場が見えた。あと1つ山を越えたら最終報告地点の飯盛山。最後の力を振り絞って飯盛山に到着。荷物をデポして、飯盛山に登って大会本部に連絡。それから少し下って、念願のゴールに到着!

60時間39分

長かった〜ゴールに辿り着けて良かった。多少、眠くなってキツイ所もあったけど、全体的に良い感じで歩けて良かった良かった。やっぱ山を歩くのは楽しいなぁ。今度は大きなザックでのんびり縦走したくなった。

あと、今回は何が大変だったかってゆーと、とにかく虫の攻撃!マジで対策必要。2年前はそうでもなかったのになぁ

 

たちした