Interview:Masahiro Minai Edit:Runners Pulse
伝説のウルトラランナーでありヴィーガン(完全菜食主義者)として、そのライフスタイルに世界が注目するスコット・ジュレクが来日。2015年7月、アメリカの14州にまたがる3,522kmのアパラチアントレイルを、46日8時間7分で走破し世界新記録を樹立した。
今回は、そんな彼をサポートし商品開発にも参画している、ブルックス社との関わりについて聞いてみた。
ーまずは、2004年にブルックスと契約したそうですが、契約した理由は?ー
S: 2004年当時は別のブランドと契約していたのですが、ブルックスから一番いいトレイルシューズを一緒に作ってもらえないかとの話しがあって、私もブルックスの本社があるシアトルに住んでいるので、シアトルのデザインチームにも頻繁に会えて一緒にデザインできるし、ブルックス社自体にすばらしいエネルギーを感じた。そして社長ともお会いして価値観も似ていたのでブルックスを選びました。
ーブルックスのプロダクトで特に気に入っているところは?-
S: ブルックスのシューズに関しては、かかとからつま先までのプロファイルが薄くて非常に安定しています。ミッドソールもクッション性とプロテクションを両方兼ね備えていて、バランスがとれているのが特徴ですし、なおかつ軽い。アウトソールに関しても高いグリップ力です。アパラチアントレイルのような水が多い所にシューズを履いて水に入っても、水がさっとシューズから出ますし、すぐ乾くというのが大きな特徴です。
ーアパレルのほうは?-
S: アパレルに関しては優れた機能性がないといけないですし、なおかつ軽いということが重要です。軽ければ持ち運びできますが、重かったら家に置きっぱなしになってしまいます。そういう意味では生地だったり通気性が重要だと思います。ブルックスのシューズとソックスを履いて走っていましたが、足にタコが出来たのがたったの2回でした。軽くて機能的だということが重要です。
—今回コースの中で舗装路はー
S: 少なかったですね。長くて1kmくらいで全体は5kmくらいしか舗装されているところはなかったのではないでしょうか。橋を渡っているときとかで、それ以外はほとんどトレイルですね。
ーピュアグリッドのアウトソールパターンで問題はなかったですか?ー
S: 全然問題ないですね。たまにロードレースでもピュアグリッドで走るのですが、問題ないですね。アウトソールの凹凸が適度な深さなので、オールラウンドに走れます。
ー今回ブルックスのシューズを履いていて、長い行程の中でここはすごく機能性の高さが役にたった場面はありますか?ー
S: 苔とか氷とかでなければ、ほとんどの地形で全く問題はなく、機能性の高さを感じました。ゴツゴツした岩場でも問題なかったですね。
ーでは最後の質問になりますが、2004年にブルックスと契約してきて、スコットさんのアイディアで採用されたことで自分としてもっとも自信のあることは?-
S: 11年前のトレイルシューズは重くてがっちりしていたのですが、私のアイディアでプロファイルが薄いものができてそれが今も続いていることではないでしょうか。またアッパーをより軽くしたり、ミッドソールとアウトソールの間にプロテクションプレートを入れたりしたことです。
スコットジュレク開発のピュアグリット4。今回のアパラチアントレイルのほとんどの行程で使用。
こちらもスコットジュレク開発のカスケディア10。アウトソールに小さなラグパターンを加える事でグリップ力をアップした。一部の行程において、こちらのシューズも着用。
スコットジュレク プロフィール
2015年7月12日。アメリカの14州にまたがる3,522kmのアパラチアントレイル(長距離自然歩道)を46日8時間7分で走破し、世界新記録を樹立したスコット・ジュレクは、世界的に著名なウルトラマラソン・ランナーであり、ヴィーガン(完全菜食主義者)であることでも知られている。伝統あるウエスタンステーツ・エンデュランスラン7連覇、灼熱のデスヴァレーを走るバッドウォーター・ウルトラマラソンの2度の優勝、24時間走のアメリカ記録樹立(266,677km)などこれまでに数々の伝説を作り続けてきた。これまでに、ニューヨークタイムズ、USAトゥデイ、ウォールストリート・ジャーナルなど、数多くのメディアで紹介され、彼のライフスタイルに世界から注目が集まっている。著書に『EAT & RUN』(邦訳はNHK出版)がある。
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