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SPECIAL

“世界で最も過酷な400m走” in Japan, RED BULL 400 SAPPORO OKURAYAMA

2019.06.11
Masahiro Minai

上田瑠偉が驚愕のタイムで初制覇!

2019年5月18日(土)。札幌大倉山ジャンプ台で、「RED BULL 400 SAPPORO OKURAYAMA」が行われ、男子フルディスタンスは、世界で活躍するトレイルランナーの上田瑠偉が、昨年の優勝タイムを大幅に更新する3分23秒13という驚愕のタイムで初制覇。7月にカナダのウィスラーで開催される世界選手権への切符を獲得した。その他にも熱い戦いが繰り広げられた同大会の模様をレポートする。

レースの説明を聞く参加者たち。札幌大倉山ジャンプ台を一気に駆け上る。 (c) Jason Halayko / Red Bull Content Pool

今年で3回目となった「RED BULL 400 SAPPORO OKURAYAMA」は、最高斜度37度の壁を駆け上がり、札幌大倉山ジャンプ台の頂上を目指すレース。世界17ヶ国で開催される “世界で最も過酷な400m走”として、年々参加者を増やしており、RED BULL 400の日本大会における個人フルディスタンス男女それぞれの勝者は、7月にカナダのウィスラーで開催される世界選手権に招待される。

スタートから100mはなだらかな下りだが、そこを越えたあたりからスロープの斜度は30度を超え、立ったまま登ることが困難になりはじめ、その後に待ち構える最高斜度37度に達するK点の壁では心拍数がほぼMAXに。高さ3mを超えるジャンプの踏み切り台とのギャップを埋めるために設置されたスロープをクリアすると最後の100m。スキーヤーが滑走するスロープ部分では、その急傾斜と、それまでの疲労のために多くの参加者は四つん這い状態に。筋肉に乳酸が蓄積され、心拍数は最高レベルになるなど、まさに“世界で最も過酷な400m走”と称される所以である。そして、ゴールしたときの達成感は、フルマラソンと比較しても遜色ないといって過言ではない。筆者は昨年の大会に参加して、この競技の素晴らしさを体感しているので、興味ある方は、こちらのブログもチェックしてほしい。

この写真を見れば、札幌大倉山ジャンプ台の斜度が、いかに凄いかを理解できるだろう。 (c) Suguru Saito / Red Bull Content Pool

途中の最大斜度は37度。ほとんどの参加者は四つん這いでないと登れない。 (c) Suguru Saito / Red Bull Content Pool

今回、トップ選手のエントリーでは、男子フルディスタンスに同大会2連覇を果たしたディフェンディングチャンピオンの高坂凌太に加え、世界中の階段レースで実績を残している渡辺良治、世界を転戦するトレイルランナーの上田瑠偉が参戦することが大きな話題になった。そして蓋を開けてみると、予選ヒートから昨年の優勝タイムを上回る好記録が続出。決勝での激しいバトルが予想された。

男子フルディスタンスは、序盤より上田瑠偉が先頭をキープ。3分23秒13というコース新記録で優勝したが、2位の渡辺良治、3位の田中聖土も昨年の優勝タイム(3分51秒30)を大幅に上回るなど、全体的にレベルが上がっていることを感じた。一方で女子フルディスタンスは立石ゆう子が、レース途中、安ヶ平萌子を逆転し、4分47秒68という、こちらもコース新記録で制した。男女フルディスタンス優勝者は、7月にカナダのウィスラーで開催される世界選手権に招待されるが、世界大会での日本人選手の活躍が期待できそうだ。

圧倒的な強さで男子フルディスタンスを制したのは上田瑠偉。ご存じの通り世界で活躍するトレイルランナーだ。 (c) Suguru Saito / Red Bull Content Pool

男子フルディスタンスの入賞者。1位上田瑠偉、2位渡辺良治、3位田中聖土。渡辺、田中の両名の記録も去年の優勝タイムを大幅に上回るなど、競技としてのレベルアップが著しい。 (c) Suguru Saito / Red Bull Content Pool

女子フルディスタンスは、立石ゆう子が4分47秒68のコースレコードで優勝。2位は安ヶ平萌子、3位は谷口三佳。 (c) Suguru Saito / Red Bull Content Pool

このようにRED BULL 400は、競技としてのレベルアップが著しく、来年度はこれまで以上の激しいバトルが予想される。実際に参加するスポーツとしてオススメだが、会場には大きなスクリーンでレースの模様が中継されるので、トップ選手の走りを観戦するスポーツとしても楽しむことができた。スペクテータースポーツ(観戦型スポーツ)としても、これまで以上に注目を集めることだろう。

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