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安比高原バーチカルレース

2018.10.22
Masahiro Minai
南井 正弘 フリーライター、ランナーズパルス編集長
1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドのプロダクト担当として10年勤務後ライターに転身。「フイナム」「Number Do」「モノマガジン」「日経トレンディネット」「SHOES MASTER」を始めとした雑誌やウェブ媒体においてスポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズに関する記事を中心に執筆している。主な著書に「スニーカースタイル」「NIKE AIR BOOK」などがある。「楽しく走る!」をモットーに、ほぼ毎日走るファンランナー。ベストタイムはフルマラソンが3時間52分00秒、ハーフマラソンが1時間38分55秒。

7月22日、著名なスノーリゾートとして知られる岩手県の安比高原で、「安比高原バーチカルレース」が開催されました。5月の「RED BULL 400 SAPPORO OKURAYAMA」、6月の「Red Bull白龍走(ハクリュウソウ)」に続き、バーチカル系レースへの参加で、レースの途中にゴンドラに乗車するという珍しい大会です。

今年は全国的に記録的な暑さとなったので、屋外スポーツイベントのいくつかは中止となりましたが、ここ岩手県の安比高原は例年と比較すると暑いものの、40度近い気温となった京都や東京と比較するとまだまだ涼しいです。特に朝晩の気温は25度を下回り、久しぶりに涼しさを感じることができるほど。そんな気象条件下で行われたのが、「安比高原バーチカルレース」です。このレースは3kmと9kmの二つの距離が用意され、両方とも安比高原スキー場内ゲレンデをスタートするとしばらく上り、コース途中で左折するとそこからは下り。3kmのランナーはスタート地点まで戻り400mの直線コースを一往復したらゴール。9kmのランナーは、スタートエリアまで下り終えると、そこからは前森山山頂の天空ガーデンまで一気に登ります。山頂に到着したらゴンドラに乗車して山を下り、ゴンドラを下車したら400mの直線コースを一往復してゴール。このゴンドラに乗車している区間もレース全長の9kmに含まれているのが面白いですね。

 

スタート直後は緩やかな傾斜。参加者にもまだ余裕が見られます。

 

コースの傾斜は徐々にキツクなっていき、走っているランナーの姿は見られなくなる。

 

最大傾斜34度あたりの箇所になると休んでいるランナーが増えてきます。

 

ゴンドラの下あたりが疲労のピーク。とにかく休まずに歩くのがやっとの状態でした。

 

ゴンドラ乗り場付近には3kmレースを終えたモデルの小夏エミリさんたちが声援を送ってくれ、大きな励みとなりました。

 

ゴンドラに乗車すると2820mの麓まで一気に下ります。

 

最後400mほどを下ると全長9kmのレースのゴール。他にはないタイプのレースなので、来年も開催されるなら必ず出走したいですね。

 

3か月連続のバーチカル系レースということで、以前よりも心のゆとりがありましたが、今回は前2大会よりも圧倒的に距離が長いということもあり、「タイムはともかく、とにかく完走!」を目標とし、前半に脚力を使いすぎないという作戦でレースに臨みます。そのためにスタート直後から走るというよりも早歩きのペースでゲレンデを登る。最初の800mほどを登ると、しばらくは下り、ここでは飛ばし過ぎてケガをすることのないようにあえてスピードをコントロールしたこともあって、上りで抜いた何人かの3km参加ランナーに抜き返されますが、長丁場なので、体力は温存して慎重に足を進める。スタートエリアまで戻ってくると、次は約3000mひたすら上る。気温が少しずつ上昇し、途中かなりタフに感じましたが、脚全体を使うということを習得してから上りに対する耐性が身に付いたようで、傾斜がキツクなればなるほど、前方に位置するランナーを追い抜くことができます。最大斜度34度という傾斜は、壁のように目の前に迫ってきて、途中何度も心が折れそうになるものの、「山頂まで辿り着けばゴンドラで麓まで帰れるんだ!」と自分に言い聞かせて、とにかく山頂の天空ガーデンを目指す。ゴンドラ乗り場の手前では3kmレースを終えた知り合いたちが声援を送ってくれ、ここで元気をもらいました。ゴンドラに乗りこむと先客が一人。着ているウェアの話をしながら麓への到着を待ちますが、このゴンドラの乗車区間2820mもコースに含まれるので、手元のスント9は止めません。ちなみにゴンドラの速度はkm/5分前後。時速にすると12kmほど。麓に到着すると先にゴンドラに乗りこんでいたランナーに先にスタートしてもらいます。ゴンドラを降りると400m上り、ゴールまでの残りの距離は下り。ここでスピードを上げるランナーもいれば、自分のように写真を撮りながら余韻に浸りながらゆっくりゴールするランナーもいるように、フィニッシュのスタイルは様々でしたが、そのほとんどが笑顔だったのは、このレースの楽しさを物語っていましたね。ゴンドラ乗り場まで1km以上に渡る急坂を登っているときは、「休みたい、いつになったら終わるんだろう…」ということばかり考えていましたが、ゴールしてみると「来年もこのレースは開催されるのだろうか?また参加してみたい!」という気持ちに変わりました。「安比高原バーチカルレース」は、バラエティに富んだコース設定、ゴンドラへの乗車など、これまでのランニングイベントにはない独自性があるので、既存のレースに飽き足らないランナーにこそ参加してもらいたいレースですね。来年度の開催を期待したいと思います。

 

9km男子の部の表彰式。優勝は反中祐介さん、2位は我妻嘉仁さん、3位は阿部健裕さん。

 

3km女子の部の表彰式。優勝は金丸典加さん、2位は小夏エミリさん、3位は村田葵さん。

 

参加者に配布されたコースを象徴する「上がって、下がって、ピース」のロゴが入ったキャップ。日本のランニングイベントの関連グッズはセンスの無さが指摘され、貰っても使われることのないモノも少なくないですが、このキャップはかなりスタイリッシュで、「これからも被りたい!」という声が多かったです。

 

この大会でもゴール後にはレッドブルのサービスが。乾いた喉にレッドブルが有難かったです。

 

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