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BLOG

「アイデア製造工場」としての帰宅ラン

2019.02.12
Daisuke Watanabe
渡邊大介
1982年生まれ。サイバーエージェント社にて広告企画、新規事業、人事責任者を経て、リクルートとの合弁会社「ヒューマンキャピタルテクノロジー」起ち上げ、経営に参画。スモーカー兼ワーカホリックから突然ランナーに転身。仕事の傍らロングディスタンスをメインとしたトレイルランニングに没頭し、年間20以上のレースに参戦。仕事とスポーツ活動の両立を目指すビジネスアスリートチーム「DOUBLE SURVIVOR(ダブサバ)」部長。フルマラソンベストは2時間47分(勝田全国マラソン2019)。

 

こんにちは。寒い毎日が続きますが、ワーク/ランバランスよく過ごせておりますでしょうか。僕は先月「勝田全国マラソン」で2時間47分と自己記録更新をまたしても達成してしまったため、調子に乗って若干(?)ランに偏った毎日を過ごしております。
 
さて、本日のテーマは「通勤・帰宅ラン」。特に「帰宅ラン」について。仕事とランニング、というテーマについて考えるときに避けては通れない本テーマですが、渡邊は「帰宅ラン」を劇的に推奨しております。理由は端的に、
 
【1】帰宅時のストレス軽減
【2】練習時間=移動時間による生産性向上
【3】アイデアが止まらなく湧き出てきて仕事の成果向上
 
上記3つ。【1】は忙しい毎日の終わりを、アルコールやタバコの臭いで充満した列車で揺られて終わるのは嫌ですよね?という簡単な問い。スッキリ汗を流して安眠したい。【2】は言うまでもなく、忙しいビジネスパーソンにとって「自脚」は有効な異動手段になります。交通費も浮く。別に車輪に頼らなくても移動はできるのです。ランナーは素晴らしい。
 
 
しかしながら、僕が「帰宅ラン」において最も推したい理由は【3】です。
 
立場上、毎日たくさんのアイデア、企画を思いついては実装し続ける仕事人生を10年以上続けていますが、帰宅ランは「アイデア製造工場」として間違いなく優秀。トヨタ生産方式ばりの製造生産性を有しており、活用しないのは全くもって勿体無い。
 
ところで、広告関係者にとってはあまりにも有名な本なのですが、ランナーの皆さんは「アイデアのつくりかた」という名著を読んだことはありますでしょうか。あるいはその発展版とも言えるジャック・フォスター氏の「アイデアのヒント」も優れた書物なのですが、これらの本に書かれている「アイデア発想のステップ」を僕なりにまとめてみると、
 
STEP.1 情報を集めるフェーズ
STEP.2 集めた情報を咀嚼/理解し、消化するフェーズ
STEP.3 それらの情報が頭の中で熟成するフェーズ
STEP.4 アイデアが誕生するフェーズ
STEP.5 アイデアを具現化、あるいは強化するフェーズ
 
上記5段階に分けることができるのです。そして「帰宅ラン」はこのSTEP.3-4に該当する行為です。
 
 
僕らオフィスワーカーは日々たくさんの時間を「集中力が分散された状態」で仕事をしています。数分おきにMTGがあったり、アポイントがあったり、突発的な相談があったり、電話がかかってきたり・・・思考の「集中」と「持続」が実現できる瞬間が実はありません
 
面白い発想やアイデア、というのは、「A→Bという思考が浅い時の思いつき(これは誰でも思いつく)」であることは少なく、A=Zを成立させる○○、のような一見関係ないもの=飛躍が含まれていたりするものだと思います。
 
こういった意外な関係性は、ある種の「混乱状態」とも言える「情報の熟成」を経ていないと得られないものであり、そのために思考の「集中」と「持続」、そして「リラックス」が必要不可欠だと考えています。めちゃくちゃ重要なので繰り返すと、意外な関係性は、ある種の「混乱状態」とも言える「情報の熟成」を経ていないと得られないものであり、そのために思考の「集中」と「持続」、そして「リラックス」が必要不可欠なんです。
 
最近仕事して思うのは、結論を急ぐあまり(「結論から言うと・・・」とか「ネクストアクションは・・・」と先を急ごうと賢こぶる人にこの傾向が強い)、凡庸なアイデアで終わってしまっている人がとても多いということ。必要な集中と持続による「熟成」を経ていないので、誰でも思いつくアイデアで終わってしまっているわけです。
 
 
ここで「帰宅ラン」の登場です。
 
一人での帰宅ランは、
 
・誰にも邪魔されることがない=集中できる。
・一定時間、考える以外やることがない=持続できる。
 
上記のように、オフィスとは全く異なる集中力持続環境が整えられています。
 
 
ぜひ帰宅ランという、誰にも邪魔されない優れた時間を「アイデアの発酵」のために使って頂きたいです。
 
コツは以下。
 
【1】走り始める前に必要な情報を頭の中に放り込んでおく。
【2】iPhoneを取り出しやすい位置に収納し、メモしやすくする。
【3】集中できる音楽を用意する。
 
 
少しだけ補足説明します。まず【1】ですが、とにかく情報を放り込んでおきましょう。また走ってる最中に情報が欲しくなっても「すぐに調べない」ようにしましょう。一種の情報枯渇状態を作り出すことに寄って、脳みそがその「情報の溝」を埋めようとして必死に動いてくれます。
 
【2】について。僕は人間の脳みその可能性については絶大の期待を寄せているものの、記憶力については絶望なまでに信用しておりません。思いついたアイデアに1億円の価値があるかもしれないのに、忘れるなんて・・・と思うと怖いので、すぐメモできる用意をして置きましょう。EVERNOTEとかでもいいのですが、ローディング時間が勿体無いので、他のメモアプリを活用しています(これは後日書きます)。
 
また人間の集中力というのは、一定のリズムが刻まれている時に最大化される傾向にあるようです(【3】)。無音空間などではなかなか集中できないので、集中できる、可能であれば歌詞を意識しないような曲をチョイスすると良いでしょう。ただ一方で、歌詞や耳に入ってくる日本語がまさかのアイデアにつながったりすることも否定出来ないので、緩急をうまく作るようにすると良いと思います(これについてはまた別の記事で)。
 
 
まとめます。帰宅ランは上記で述べたとおり、思考の「集中」と「継続」を生み出してくれる「アイデア製造工場」もっと正確に言えば「アイデア熟成工場」です。ぜひ積極的に帰宅ランを活用し、たくさんのアイデアをひらめき、仕事で価値向上を目指してもらえればと思います。
 
 
最後に。先に上げたジャックフォスターの言葉で、好きな言葉があります。
 
 
「アイデアいっぱいの人は決して深刻にならない。」
 
一日の終りを、ハッピーに。そのためにもぜひ帰宅ランを取り入れてみてください。
 
 

 

 

 

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