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COLUMN

【ベルリンマラソン】世界記録も飛び出す高速レース。

2018.08.01
Kazuya Yokosawa

みなさん、こんにちは。

突然ですが問題です。過去44回の開催で、世界記録が10回誕生している海外マラソンがあるのですが、それはどこのマラソン大会でしょうか?

正解は、毎年秋にドイツで開催されるWorld Marathon Majors(世界6大マラソン。以下WMM)の一つ、「ベルリンマラソン」です。今年は9月16日(日)に開催されますが、世界最速コースとして、毎年、世界中から注目を集める大会で、かつては日本でテレビ中継されていたこともありました。

みなさんご存知の通り、日本では空前絶後のマラソンブームですよね。大会に出て走りたくても、クリック合戦や抽選で参加できないことも多く、私もよくマラソン難民になります…。現在では抽選申し込みのベルリンマラソンも、かつては先着順、2012年までは申し込み開始後、数か月の余裕がありました。2013年に数時間でエントリー締切りを迎えたことから、遂に方針が変わり、2014年からは抽選申し込みに変更。抽選で参加者を決める世界の大会はまだ数えるほどですが、世界でも日本同様マラソンブームなんですね。

そして、このベルリンマラソン、実はこれまで数多くの日本人が輝かしい功績を残してきたことでも知られています。

2001年 高橋尚子さんが2:19:46で走り、世界記録(当時)を樹立
2005年 野口みずきさんが2:19:12で走った記録は、今でも、ベルリンマラソン女子選手のコース記録
2017年 ハーフマラソンで日本新記録樹立の翌週ながら、設楽悠太さんがサブ10の走りで6位入賞

これらはほんの一例で、2009年にベルリンで開催された世界陸上では尾崎好美さんが銀メダルを獲得したりと、それだけ日本人と深い縁がある大会。それゆえに、数年前まではウェブサイトに日本語版もあったほどなのです。

さて、そんな非常に人気の高いベルリンマラソンですが、大会前日の土曜日午前には、サブイベントの「ブレックファストラン」が開催されます。約6kmのコース設定で、スタート地点は「世界遺産」のシャルロッテンブルグ宮殿。そしてゴールは、ヒトラーが1936年のベルリンオリンピックのために建てた歴史深いオリンピアシュタディオンです。このスタジアムでは2006年サッカーW杯やチャンピオンズリーグ等、世界的なスポーツイベントが開催されており、2009年の世界陸上男子100m決勝で、ウサイン・ボルトが前人未踏の9秒58を出したスタジアムでもあるのです。そんな世界史的にもスポーツの歴史的にも貴重な場所で走れるサブイベントですので、翌日にPB狙いのガチランナーも、この日ばかりは仮装して走る大賑わいの国際交流イベントとなっていました。

約6kmのブレックファストランのスタート地点はシャルロッテンブルグ宮殿。「世界遺産」なのに、当たり前のように敷地に入れてしまいます。

ブレックファストランの途中で国旗を身にまとう参加者を発見。

ちなみに、他のWMMではファンランも参加費が高いのですが、ベルリンマラソンのブレックファストランはなんと無料! 超がつくほど太っ腹ですね! 参加者は世界100ヶ国以上から1万人以上、ファンラン後には給食まで支給されるので、これは行かなくちゃ、です。
https://www.bmw-berlin-marathon.com/en/race-week/generali-breakfast-run.html

ブレックファストランのゴール後、ちゃっかり取材も受けちゃいました。

 

エキスポだけでも見どころ満載。

他の大会同様に、マラソン参加者はゼッケン受取のためにマラソンエキスポに行くことになります。例年、木曜~土曜までの3日間ですが、時間帯は日によって変わるので確認が必要です(https://www.bmw-berlin-marathon.com/en/race-week/expo-berlin-vital.html)。

みなさんはマラソンゼッケンを受け取るとき、当然ゼッケン留めが入っていると思いますよね? ですが、ベルリンマラソンは大会の運営方針で、必要な人が必要なだけ持ち出す無駄を省いた省エネ形式です(ゼッケン留めがないわけではありません)。パンフレットも、必要な人だけが持ち帰るような形式になっているなど、随所で効率的(?)なのはドイツならではという印象です。

さて、エキスポと言えばゼッケンを受け取りに行くだけではありません。楽しみは、様々な会社が出展しているブースにもあります。WMMの一員だけあって、エキスポだけでも見どころが満載なのです。例えばドイツ発祥のadidasは、大会の公式スポンサーだけあって気合いの入った出展をしていましたし、日本ではまだ名の知られていないメーカーが販売している機能性のポーチなど、掘り出しもののグッズを見つけることもできました。もちろん公式グッズもありますが、人気商品は早目に売り切れてしまうかもしれませんので、これだと思ったものはぜひ売り切れる前に購入して欲しいと思います。いずれにしても、時間をとってブースに1軒1軒立ち寄りながら、半日くらいエキスポで過ごすこともできるほど充実していました。

とはいえ、海外マラソンでは時間の制約も大きいので、エキスポに行くタイミングも非常に重要になってきます。多くの方が、以下のモデルツアーを利用されているのではないかと思いますが、

[モデルツアー]
木曜:日本発⇒ベルリン着
金曜:マラソンエキスポ+観光
土曜:ブレックファストラン+観光
日曜:マラソン
月曜:ベルリン発→機内泊
火曜:日本着

金曜INなど、もっと弾丸な旅程で参加しなければいけない人もいますよね。そんな人には、空港到着時刻がエキスポ開催時間内なら、空港から直行してみることをオススメします。空いた日程で別の観光が組めますし、後でもう1回エキスポに行くという選択肢もあります。ベルリンは観光の宝庫で、東西ドイツを隔てていた壁をはじめ、市内には歴史的な名所も多数あります。ベルリンだけでも盛りだくさんなのですが、世界遺産のあるポツダムにも電車で容易にアクセスできるので、どこに行くべきか、本当に悩みが尽きないのです(笑) 中には、効率良くゼッケンを受取り、格安航空会社を活用して、何とオランダまで日帰り旅行をしていたツワモノ(!)もいます。工夫次第で楽しみが広がりますので、せっかくの海外旅ランを心ゆくまで満喫してください。

ベルリンマラソン本番はウェーブスタート。

さて、いよいよベルリンマラソン当日。本番はウェーブスタートからはじまりますが、毎年、世界新記録の誕生に立ち会えるのではないかと期待する大群衆の熱気に包まれています。会場には日本の旗を持って応援してくださる方もいて、とても勇気づけられました。

 

レースのハイライトは最終盤、ドイツで発行されるユーロ硬貨の裏面に描かれたブランデンブルク門です。ブランデンブルク門はベルリンの壁建設後、東ベルリン西端の行き止まりとなり通行不可となりました。ベルリンの壁崩壊後、東西ドイツの統一と共にベルリンマラソンで東ドイツ側も走れるコースに変更され、そしてゴール直前に、ブランデンブルク門をくぐり抜けるコースへと変更されたのです! サブ3で走ってしまう高速ランナーも、立ち止まって写真撮影してしまうほどの撮影スポットで、Marathon Photoのカメラマンも、ここぞとばかりに絶好のスポットで待ち構えています(笑) ドイツのみなさまが乗り越えてきた苦難の歴史を感じ、くぐり抜ける瞬間にはただただ感動です。この瞬間には、過去、この大会が高速コースだからといってPB目指して最初から突っ込んで走り、後半、大撃沈したことも良い思い出となります。

   
完走メダルには前年の優勝者の顔が刻印。事前に申し込みをすれば、タイムの刻印も可能です。そして大会後には、マラソンCDを購入。

ベルリンマラソン2018は、例年より1週間早い9月16日(日)の開催で、参加しやすいスケジュールになっています。抽選申込みは既に終了していますが、ツアーならまだ参加できるかもしれませんので、興味がある人はぜひ調べてみてください!

 

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Kazuya Yokosawa
横澤 和哉
中学・高校時代はテニス一色、大学時代からマラソンに挑戦。これまでフルマラソン54回、ハーフマラソン15回完走し、2016年4月のロンドンマラソンで日本人39人目のWorld Marathon Majorsを制覇。ASEANマラソンコンプリートに王手。普段は味の素株式会社において研究員として従事している。 海外フルPB 3:17:41(シカゴ2016)、人生のフルPB 2:58:32(さが桜マラソン2018)
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