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COLUMN

2018年出雲駅伝予想。

2018.10.04
Shun Sato
Shun Sato
出雲前の日体大長距離記録会に出場した關と館澤。本番に向けてまずまずの走りをみせた

出雲前の日体大長距離記録会に出場した東海大の關と館澤。本番に向けてまずまずの走りをみせた

いよいよ出雲駅伝が始まる。全長45.1キロのスピードレースで2018年、大学3大駅伝(出雲駅伝、全日本学生駅伝、箱根駅伝)の始まりとなるわけだが、各チームは上半期、夏合宿の成果が問われることになる。

昨年は、東海大学が6区間中4区間で区間トップをとるなど、2位の青学大に1分33秒差をつけて圧倒的な強さを見せて優勝した。2年生の阪口竜二、鬼塚翔太らが快走し、最後は關颯人(せき はやと)がアンカーで締めた。今年は、その2年生が3年生となり、レベルアップした東海大が2連覇を達成するのか。それとも昨年、箱根駅伝4連覇を達成した青学大が盛り返すのか。また、昨年箱根駅伝往路で青学大を破った東洋大が4年ぶりの勝利を勝ち取るのか。あるいは、その3強に食い込むようなチームが出てくるのか。

もうすでにメンバーが発表されているので、その構成から優勝の可能性を見ていくが、まず気になるのが、青学大である。4年生で主力の森田歩希、梶谷瑠哉、橋詰大、3年の鈴木塁人、竹石尚人、生方敦也、2年は神林勇太、吉田圭太、1年からは飯田貴之、湯原慶吾が選出された。

出雲駅伝1か月前の全日本インカレでは合宿期間中で疲労がたまった状態で10000mに鈴木が出場し、30分17秒で9位、森田が30分24秒で10位。橋詰は5000mに出場し、14分26秒だった。本来の走りには程遠い出来だったが、練習の一環としてのレースだったので本人たちもタイムを気にする様子はなかった。むしろ故障もなく、順調にきている様子がうかがえた。

出雲直前の学内5000mでは森田たちが流して走る中、生方がトップで走り抜け、出雲への出場意欲を見せた。まだ、未経験の選手だが、調子は悪くなく、気持ちの強さも見せている。それを原監督がどう判断するか。順当に考えると出走者は鈴木、橋詰、森田、吉田、生方、竹石あたりだろうか。昨年、梶谷が1区を走り、8位に終わり、その出遅れが響いて最終的に巻き返すことができなかった。今回、同じ1区を走るかどうか未定だが、誰が走るにせよ青学は1区がキーを握ることになるだろう。1区をうまく入ることができれば、青学大が王座を奪還する可能性が高い。

不気味なのは東洋大である。エースの山本修二を筆頭に小笹椋の4年生に加え、相澤晃、今西駿介の3年生、大森龍之介、西山和弥の2年生たちが選出された。全日本インカレでは山本は5000mを走り、流していたが、相澤と西山や主力は出場していなかった。その後、日体大記録会に大森らは出場していたが、二人は姿を見せなかった。その間、出雲に向けてしっかり調整していたようだが、本番に向けてどのくらい準備ができたのだろうか。昨年の箱根駅伝では西山が1区を走り、スタートダッシュに成功したが、その展開にもっていけると後続には山本、相澤、今西ら力のある選手が揃っているので東洋大が突き抜ける可能がある。

2連覇を狙う東海大は、湊谷春紀、湯澤瞬の4年生、昨年の主力である3年生からは鬼塚、郡司陽大、中島怜利、關、館澤、西川雄一朗、高田凜太郎、1年生からは須崎乃亥が唯一選出された。湯澤はトラックシーズンで関東インカレでも2位になり、夏合宿もすべてのメニューを順調にこなすなど好調だ。館澤も関東インカレ、日本選手権、全日本インカレの1500mで3冠を達成している。西川は全日本インカレの5000mで14分12秒でタイムは今ひとつだが、積極的なレースで4位に入り、両角監督の信頼を得た。關も2週間前の日体大記録会で5000mに出場し、ラストスパートで館澤と競って13分56秒で、まずまずのレースを見せた。夏は陸連の合宿に参加、左足くるぶし付近の疲労骨折の影響はなく、上り調子だ。鬼塚は、全日本インカレ、予定していた日体大記録会の10000mを回避し、調整を続けてきた。

昨年は1区の阪口が素晴らしい走りを見せ、後続の選手たちに勢いを与えた。その1区だが、昨年の箱根1区予定だった關が行くのではないか。昨年の今大会はアンカーだったが、今年はスターターとして昨年の阪口のような走りが期待される。アンカーは調子がいい湯澤がきそうな気配だ。西川も今回、初めて駅伝を走ることになるだろう。順調に夏合宿を終え、故障者もほとんどおらず、イケイケ状態だった昨年のような勢いはないが、選手は戦えるところまで調整してきた。

おそらくこの3校が優勝争いの中心になるだろうが、昨年箱根4位の早稲田大は5000mで13分47秒のタイムを持つ中谷雄飛ら1年生が4人エントリー入りしている。彼らが爆走すれば3チームを食う可能性もある。

30回の記念大会にもなるが、果たして東海大が2連覇を達成するのか。それとも青学大、東洋大が王座を奪回するのか。

箱根にも通じる3大駅伝の初戦は10月8日(月・祝)、13時05分スタートである。

 

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Shun Sato
佐藤 俊
北海道生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、出版社を経て93年にフリーランスに転向。現在はサッカーを中心に陸上(駅伝)、卓球など様々なスポーツや伝統芸能など幅広い分野を取材し、雑誌、WEB、新聞などに寄稿している。著者に「宮本恒靖 学ぶ人」(文藝春秋)、「駅伝王者青学 光と影」(主婦と生活社)など多数。
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