スタイリッシュに速く走りたい、すべてのランナーへ
COLUMN

ランニングに効く、効果的な筋トレ(第2回)

2018.03.26
Takuya Mamada
New Balance Japan

 

最も効果を出す筋トレポイントと頻度。

パーソナルトレーナーの儘田(ままだ)です。
筋トレは、ポイントを理解しないまま行ってしまうと余計な筋肉がつき、パフォーマンスの低下につながります。さらには、頻度を間違えると効果が得られないうえに怪我の原因になることも…。ランナーに必要な筋肉・筋力をつけるためには、しっかりと意識をもってトレーニングすることが大切です。そこで今回は、前回の「筋トレの必要性」に続き、「最も効果を出す筋トレポイントと頻度」について解説します。

余計な筋肉・筋力をつけないための筋トレポイント。

ここでいう余計な筋肉・筋力とは、ランニングや日常生活に活かせない筋肉・筋力を指しています。ランニングや日常生活に活かせない筋肉・筋力を強化すると、それがブレーキ要素となりスピードアップの妨げになってしまいます。また、人間が本来持ち合わせている“走るための姿勢”を崩してしまい、腰・膝などの故障を招くことにもつながります。そうならないためのポイントは至ってシンプルです。重心の「位置」と「姿勢」。重心の位置と姿勢はトレーニング時に限らず、日常生活でも意識して欲しいポイントになります。

■正しい重心の位置と姿勢

重心
・重心は足のつま先(親指の付け根)におく(かかとを浮かせる必要はない)

姿勢
・骨盤をやや前傾(骨盤をかるく前に回転させたくらい)
・背骨を垂直に立て自然なS字カーブ(頭のてっぺんを真上にひっぱられているイメージ)


背骨の自然なS字カーブとは、背すじをのばしたまま上半身を左右にゆっくり振り、ふり幅を少なくさせていきながら自然に動きが止まる位置と、背すじをのばしたまま前に45度くらい傾けた状態から、骨盤の前傾をキープしたままゆっくりと上げて行き、腰や背中に無理な力を入れなくても自然に直立する位置のこと。これは“座禅”の座り方とも共通しています。

上記とは逆の姿勢、つまり重心がかかとに乗り、骨盤が後傾して猫背の状態が現代人にありがちな悪い姿勢です。悪い姿勢で生活・ランニング・トレーニングしてしまうと、肩こり、腰痛、膝の故障などのリスクを増大させるほか、上半身と下半身の連携がうまくいかず、走るスピードを抑えてしまうことになってしまうので気をつけましょう。
上半身と下半身の連携とは、肩と骨盤が反転して推進力を生む動きのこと。この動きは動物のなかでも人間だけだといわれており、人間が陸上で生活する動物のなかで最も長く走り続けられる特徴ともいわれています。

効果的な筋トレの頻度。

「やればやっただけ効果が出る」「休んでしまうと衰えてしまう」勤勉な我々日本人は、ついこのように考えてしまいがち。しかし、筋トレに関しては、「やればやっただけ = 三歩進んで二歩(以上)さがる」と捉えましょう。鍵を握るのは“回復期間”にあります。

■筋肉痛と超回復

筋トレを行うと筋肉は小さな断絶をおこし、老廃物が蓄積されて筋肉痛が生じます。ただし筋肉痛は必ず起こるものとは限らず、運動に慣れてくると痛みが生じなくなります。それでも小さな断絶と老廃物の蓄積はおこっているので注意が必要。

筋トレから2~4日間が経過すると断絶の修復とエネルギーの補給が完了し、筋肉はそれまで以上の筋力を発揮できるようになっています。
これを“超回復”と呼びます。

■じん帯の回復

じん帯は骨と筋肉、骨と骨をつなぐ硬い接合部分。伸び縮みしない硬いゴムだと思ってください。筋トレを行うということは、筋肉と同様にじん帯も疲労します。そして、疲労回復に要する時間は筋肉よりも長くなります。比較的負荷の低い自重トレーニング(自分の体重を利用したトレーニング)であれば2~3日、ダンベル・バーベルを利用する高負荷のトレーニングにおいては6日間は回復に必要です。じん帯は筋肉痛のように毎回痛みを生じるわけではありませんが、だからといって回復を無視してしまうと痛みを生じてきます。じん帯が痛みだすとその回復に数週間以上を要する場合もあるのです。

■回復期間を踏まえた適切な筋トレ頻度

上記を踏まえて適切なトレーニング頻度をまとめると、自重トレーニングでは中2日間の休養をとって週3回以内。ダンベル・バーベルを利用する高負荷のトレーニングは、中6日間の休養をとって週1回が適切となります。

■毎日やりたい場合は部位を分ける

毎日筋トレを行いたいという場合は、部位を分けることで回復期間を設けられます。

例えば、自重トレーニングの場合…
月曜日:上半身
火曜日:下半身
水曜日:お腹
木曜日:上半身
金曜日:下半身
土曜日:お腹
日曜日:休み

ダンベル・バーベルを利用する高負荷トレーニングの場合…
月曜日:胸
火曜日:脚
水曜日:背中
木曜日:肩
金曜日:腕
土曜日:お腹
日曜日:休み

上記のような分け方で必要な回復期間が確保できるのです。

 

最後に、努力を重要視する日本人は、どうしても「やればやっただけ効果がでる」「効果がでないのはトレーニングが足りないから」と思いがちです。しかし、休むこともトレーニングの一部と理解してください。上記の内容を参考にトレーニング頻度を組み立てると、筋力が右肩上がりで向上することが実感できるはず!

次回は、いつでもどこでも出来る「自重筋トレ」についてお伝えしますのでお楽しみに!

※筋トレは身体に強い負荷をかける行為であり、血管系のトラブルを招く場合があります。筋トレを始める前に“血圧”を計ることをおすすめしております。血圧の上が140、下が90を上回る場合は危険なのでトレーニングは控えましょう。

■関連記事
・第1回 「ランニングに効く、効果的な筋トレ/ランニングにおける“筋トレ”の必要性」

 

Takuya Mamada
儘田琢哉
全米ストレングス&コンディショニング協会(NSCA)認定パーソナルトレーナー。 身体が変化するには“やればやっただけ”でよいのか? 20年以上にわたりトレーニングを続けてきたなかで効果が見出せなかったことから、「“身体自らが変化”しようとする力を引き出すにはどうすればよいか」に着目。結果、数ヶ月の間に自身の身体で筋肉をおとさず脂肪のみ20kgおとし、心肺機能の向上にも成功。自身の経験をパーソナルトレーナーとして広めている。
RECOMMEND
CATEGORIES